Everything is Everything by Koki Tanaka

箸が転んでも、可笑しい――。美術館でこの田中功起のインスタレーションを見たとき、不覚にもハラを抱えた。ぼくは笑いの沸点が高い方だ。年頃のムスメでもない。それなのに…完敗だったのである。

なにゆえ、こんなモノが可笑しいのか。ただ箸が転げただけでは、人間可笑しくもなんともないはずだ。思うに、これは演芸でいう「間」ではないか。あ、説明になってないな。なんというか、情況が急激に変化する際に起こる、脳の混乱を逆手に取ったと。期待した情況に裏切られる―つまりは、オチがついたということだと思う。

実際、この作品で提示される行為は、すべて日常のヘマに通じる。手を滑らせてモップをこかしたり、階段からマットレスを落としたり。やってしまうと、指さして笑われそうな。とはいえ、同時に憧れの行為でもある。次々とコップを握りつぶしたり、発泡剤のスプレーを空になるまで撒き散らしたり。

それと見逃せないのは、見事なサウンド・アートになっている点。ステージ上、静まり返る聴衆の前で、ぼくもマットレスを思いっきり巻き込んでみたい。しかしまあ、こんな感想こそ箸にも棒にもかからないといえるのだが。

4 notes

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  2. grupostoneflower posted this
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